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Re:メールソフトの比較検討



西本です。

  From: WATANABE Takayuki <takayuki@...>
  Date: Tue, 24 Oct 2000 20:55:53 +0900
  Subject: Re: メールソフトの比較検討

> 渡辺@湘南工科大です。
> 
> 発表、頑張ってください。辛口な発言でもよいですよ、反撃できるところは反
> 撃しますから (笑)。
> # 痛いところを付かれたらこっそり修正します。

というよりも、それぞれの開発者の方に報告をフィードバックするのが
よいかなあと思います。

実は WinBiff の設定にてこずっていて音声化できてません。
だから、ちゃんとしたまとめはもうちょっと待ってください。

それから、Meadow でプルダウンメニューを音声化できるのでしょうか?
これができると、ちょっと Windows ライクになりますね。
(邪道と言われるかも知れませんが)

しかしおおざっぱな感触としては、

Mew が優れているところ:
・移動や読み上げにおける操作の一貫性
  ほとんどカーソル上下だけで移動と読み上げが可能。
・入力補完
この2つは Emacs の操作性によるところが大きい。

MM-Mail が優れているところ:
・音声フィードバックの日本語化
Emacs でミニバッファ出力は日本語化できるんでしょうか。。

・モード変更などでのフィードバックの充実
  モード変更後にカーソル位置などを読み上げてくれる。
これは MM-Mail が自分で SAPI を触っているから可能なのでしょう。
スクリーンリーダーに依存しているソフトには難しいでしょうね。

・コマンドの覚えやすさ
  ALT やカーソルキーでメニューを読み上げつつ、
  それによってショートカット操作を学ぶことができる。
これは Windows のインタフェース標準によるところが大きい。

どちらもなんとかして欲しいところ:
・ヘルプの音声化。特にコンテクスト依存ヘルプ。
現在の状況や、いまどんな操作が可能なのかを簡単に確認できる
機能が欲しいと思います。
(BEP の皆様には不要かも知れませんが)


先週北京の ICSLP という国際会議に行ってきたのですが、
Oxford Brooks University の Mary Zajicek による
The construction of speech output to support elderly visually
impaired users starting to use the internet
という発表がなかなか面白かったです。

彼女らは中途失明者のためのウェブブラウザを作ったのですが、
そもそも初心者はソフトウェアの概念モデルを頭の中に作るのに
非常に苦労している、ということが分かりました。
「○○をするにはxxを、○○をするにはxxを、
○○をするにはxxを押してください」といった長いメッセージで、
すべてのオプションを覚えておくことは難しい。
最後に言われたものしか覚えていられなくて、
それを選んでしまうユーザが非常に多い。
また、URL といったテクニカルタームに反応してくれない。

そして、この音声アプリケーションの操作能力は、
被験者の短期記憶に関する知能テストと比例していたとのことです。
(ここらへん、ちゃんと話を聞き取れてなかったかも知れないけど。。)
中途失明者は高齢者が多く、短期記憶の衰えている人が多い、
というわけです。

結果として、彼女らは、
・出力文を極力シンプル(箇条書き)にする
・メッセージの最後に「Repeat the options, press return」を入れて、
  選択肢を聞き返す方法を一番最後に読み上げる
といった改良をしたとのことです。

詳細は下記を参照してください。
http://www.brookes.ac.uk/schools/cms/research/speech/btalk.htm

> あと、GUIの影響を検討するならば、DOSベースの音声メールソフトも評価すべ
> きだと思います。

具体的には何をチェックしましょう?
WTERM + VDM あたりですか? 環境を作れるんだろうか。。
Linux でも同じような調査をしたいとは思っています。

==
西本卓也 (助手) / 京都工芸繊維大学 電子情報工学科
京都市左京区松ヶ崎御所海道町 (〒606-8585)
http://www-vox.dj.kit.ac.jp/nishi/
nishi@...