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Re: Windowsの使いにくさの本質(Re: TODOリスト)
- To: bep@argv.org
- Subject: Re: Windowsの使いにくさの本質(Re: TODOリスト)
- From: Takuya Nishimoto <nishi@vox.dj.kit.ac.jp>
- Date: Mon, 02 Oct 2000 11:32:44 +0900 (JST)
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西本です。
突飛な議論をしてしまったかと思ったのですが、
いろいろご意見をいただいて、嬉しく思います。
> 中村 のりつぐ です。
> 現状の Windows の GUI が音声から使いにくいからといって、
> Windows の GUI システムが本質的に使いにくく、DOS の CUI の方が
> 絶対使いやすいと言えるのか?という点です。
私も同じ疑問を持っています。
なにから取り掛かっていいのかよく分からないのですが、
まず WinBiff や MM-Mail を音声化して使う上で、
どこにどういう問題があるのか、私自身が納得する必要があります。
> しかし、抽象度からいったら Windows の方が、部品化されていて
> (現状ではされるべきはず?かもしれない)、その情報さえ適切に
> 取得できれば、本来ちゃんと音声でも使えるのでは???
> と思ってしまうのです。(現状では全然そうなっていないので当然
> 使いにくい、もしくは使えない状態ですが)
おっしゃる通り Windows のフォームやウィジェットはそれなりに
情報の表示や選択を抽象化する役割を持っていると思います。
インターネットに特化することで UI とアプリケーションロジックを
さらに明確に分離した例が HTML の FORM だと思うのですが、
これでも充分ではない。
さらに音声に特化したものが VoiceXML である、と私は思います。
抽象レベルでのデザインがまずいと、ユーザが何かしら
補う必要があるのですが、CUI の方が低レベルの情報で補うことができる。
だから設計のまずいアプリでも CUI なら音声化して使える。
これは UI の自由度とかガイドラインの問題ではないか、
と思わなくもないです。
GUI 環境のアクセシビリティについては Microsoft に続いて、
最近は Sun が中心になって GNOME について活動を始めています。
もうすこしこのへんも興味を持っておかなくては、とは思います。
> もちろん豊富な2次元の画面情報を情報量の少ない音声に落すので、
> 使いにくくなる点は絶対避けられないと思いますが、
> それは emacspeak でも同じですよね?
「情報量の少ない音声」から「情報量の多い音声」への発想の転換が、
AUI の素晴らしいところだとは思います。
しかし、アプリケーションの概念モデルが素直に GUI にも AUI にも
マッピングできるわけではありません。
特に概念モデルが最初から GUI に特化してしまうと AUI 化しにくい。
emacs のバッファという概念が、従来の Windows アプリよりも
直接的にアプリの概念モデルと対応しているとすれば、
もしかすると AUI と相性がいいのかも、と期待したりもします。
つまるところ私は emacs の「バッファ」という概念が、
本当に GUI を捨ててまで慣れるに値するものなのか、
ちょっと心配しています。
「Emacs が好きな人だけが Emacs を使う」で話が終わってしまうのは
ちょっとつまらない、というのが正直な気持ちです。
==
西本卓也 (助手) / 京都工芸繊維大学 電子情報工学科
京都市左京区松ヶ崎御所海道町 (〒606-8585)
http://www-vox.dj.kit.ac.jp/nishi/
nishi@...