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Linuxマガジンの佐々木氏の記事中のEmacspeakへのコメント



ASCII Linuxマガジン編集部 様、
佐々木太良 様、
CC: BEP ML

はじめまして、渡辺@湘南工科大学&ARGVです。

ASCIIのLinuxマガジン11月号の佐々木太良氏の記事「Emacsはじめました」の
p.205に Emacspeakについて言及してあり、Emacspeakの日本語化はなされてい
ないという趣旨のことが書いてありましたが、我々 Bilingual Emacspeak
Project (BEP) では一般公開はしていない(一般公開できるレベルになるまで
はBEP ML参加者内部だけで公開しています)ものの、すでにEmacspeakを日本語
化しておりますのでお知らせします。

Bilingual Emacspeakは、Emacspeakを日米2カ国語に拡張し、Windows用と
Linux用のバイリンガルなソフトウェアText-to-speechサーバーを作って、両
OSで Emacsを音声利用する、視覚障害者用のTTSシステムです。 Windows版は
バイリンガルスピーチサーバーの原型が完成し、小人数のテストをはじめてお
ります。Linux版は日本語だけを喋るスピーチサーバーの原型ができていて、
11月のLinux Conference 2000でも「Bilingual Emacspeakと視覚障害者の
Linuxアクセシビリティ向上」という題で11月30日に話をします。
http://lc.linux.or.jp/c-detail.html#emacspeak

LinuxはGUIでしか使えないWindowsとは異なり、視覚障害者などの障害者も使
いやすいalternative OSになる可能性を秘めており、GNOMEなどでGUI化が進ん
でいくこの時期に、障害者などさまざまな状況にいる人が使いやすい(アクセ
シビリティのよい)ユーザーインターフェースを確保することがきわめて重要
だと思っています。

Raman博士が開発したEmacspeakは、GNU Emacs自身がスピーチサーバーを制御
しながらユーザが必要な情報を聴覚に最適化して提示しているため、従来のス
クリーンリーダ(画面を読み上げる音声化システム)とは全く異なったシステ
ムです。これを日米両言語に拡張して、仕事や研究でEmacsを使う日本の視覚
障害者のコンピュータ利用を促進しようというのがBEPです。私のような晴眼
者でもEmacsはとても使いやすく、出来るならすべてEmacsの枠内だけで作業し
たいと思ったりします。ここで改めて指摘するまでもなく、テキスト編集、メー
ル、WWW、ファイラー、shell、辞書、など仕事や研究に必要なほとんどの作業
をEmacsで処理できますから、このEmacsを音声利用できると、Emacsを使える
だけのスキルを持った視覚障害者に多大なメリットをもたらすと信じています。

gooでもYahooでもEmacspeakで検索すればBEPにも引っかかるのですぐにわかる
はずですが、以下のURLにも情報があります。
http://www.shonan-it.ac.jp/each_science/info/nabeken/voice/
http://www.argv.org/bep/
http://www.shonan-it.ac.jp/each_science/info/nabeken/voice/#publication

以上、ご参考になれば幸いです。

また、Linuxマガジンでも、こういったアクセシビリティ関連の話題を取り上
げていただけるとうれしいです。

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渡辺隆行 (Takayuki Watanabe)
takayuki@...
251-8511 神奈川県藤沢市辻堂西海岸1-1-25
          湘南工科大学 情報工学科