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IBMにOutloud日本語版を推進していただきましょう



渡辺@湘南工科大です。

IBMにLinux版の日本語音声合成エンジンを作ってもらおうという計画ですが、
明日のヒューマンインターフェース研究会で、鳥原さんを含めIBMのアクセシビリ
ティ関連の発表が何件かあるので、この機会にIBMの方にお渡しする2ページの資
料を作ってみました。以下にテキスト版を同封します。ご意見をお願いいたしま
す。

鳥原さんへ;明日これをもって伺います。

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Bilingual Emacspeak Project の概要とLinux版日本語音声エンジンの必要性

2000年1月27日

渡辺隆行、井上浩一1、鳥原信一2,3、飛岡正人3

湘南工科大学 情報工学科 (takayuki@la.Shonan-it.ac.jp)
1(株)リコー ソフトウェア研究所
2日本IBM(株) 東京基礎研究所
3慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科

Bilingual Emacspeak Project (http://www.argv.ac/bep/)とは、Emacsベースの
音声化システムを開発するオープンプロジェクトであり、この問題に関心をもつ
晴眼者と視覚障害者が個人的に集まって共同作業している。このプロジェクトの
目的は、Raman博士が開発したEmacspeak(注)を英語と日本語を平等に扱えるよう
に拡張し、Windows及びLinuxの上で動作する2種類の音声化システムを開発するこ
とである (BEPの構成は次ページの図参照)。2つのOSをターゲートにしているのは、
個人レベルではWindowsが最も普及していて、仕事ではLinuxなどのUNIXを使って
いる視覚障害者が多いからである。

Windows版のBEP (別名Voice Meadow)は、α版を公開できるところまで完成してい
る。Linux版のBEPが完成すれば、UNIXサーバーの管理やネットワークやソフトウェ
ア開発などの仕事に従事しようとする日本の視覚障害者がLinuxを音声利用できる
ようになる。

ただしLinux用の使いやすい音声エンジンオブジェクトがまだ世の中にないので、
Linux用の日本語音声エンジンオブジェクトを開発する必要があり、2つの候補が
ある。ひとつはクリエートシステム開発(株)のLinux版ドキュメントトーカが提供
する低レベルのAPIを使って使いやすいエンジンオブジェクトを開発する計画であ
り、井上が取り組んでいる。もうひとつは、IBM ViaVoice Outloud for Linuxの
日本語版をつくろうという計画であり、鳥原が取り組んでいる。我々は、IBMにこ
のプロジェクトの重要性を認識して頂いて、日本語WindowsのProTALKERをLinuxに
移植する作業をIBMのプロジェクトとして推進していただけないかと期待している。

(図は省略)

注;Emacspeak
EmacspeakはT. V. Raman 氏によって開発された、Emacs音声化マクロである。今
の所多くの視覚障害者は、UNIXを利用するときスクリーンリーダーが動いている
他の端末からloginするのが普通だが、Emacspeakでは、作業がEmacsで閉じている
限り、UNIXマシンのコンソールから、音声で確認しながらの操作ができる。
Emacspeakの特徴は; 
* 音声で確認しながらの編集作業ができる。 
* Emacsのほとんどの操作、エコーエリアへの表示を音声出力できる。 
* Emacs/W3を用いれば、音声スタイルシートに対応したWEBブラウザ環境が提供
  される。 
* 端末エミュレータモードがdosのスクリーンリーダー並にしっかり音声化されて
  おり、シェルコマンドや他のフルスクリーンプログラムが容易に実行できる。
* Emacs自身を音声化するので、X11等のウインドーシステム上でも問題なく使用
  できる。