[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

Re: ["Kaneko_Mituhiro": Linux版視覚障害者用音声ガイドについて ]



オ−ダ−メイドPC LogSystem&りなっくす・ぷらざ 代表 金子光裕 様、
CC: BUG-ML (Blind Unix Users Group)
CC: 岡村先生

はじめまして、渡辺@湘南工科大学です。
九大の岡村先生から貴殿のメールを紹介され、この返事を書いています。

> Date: Tue, 03 Oct 2000 09:39:23 +0900
> From: "Kaneko_Mituhiro" <papa@...>
> To: <oka@...>
> Subject: Linux版視覚障害者用音声ガイドについて

> 先日、横浜盲学校の松田先生とお会いする機会があり(Linux講習しました)、
> Linux版視覚障害者用音声ガイドのことを尋ねられたのですが、検索していて
> 貴殿にたどり着きました。
> 
> 何か情報がありましたら、教えていただけないでしょうか?
> 
> 私は横浜在住でKICE(神奈川県インタ−ネット教育研究会)という団体で
> 活動しています。
> 企業から戻った古い自社製オリジナルマシンを改造し、
> Windows/Linux Dual Bootマシンとして学校等に寄付しています。
> Linuxで視覚障害者用音声ガイドができるのなら、設定等私が覚えれば
> お役に立てそうなので、調べています。

Unix用の日本語スクリーンリーダは、ゼータビッツ株式会社 (旧 ネットワー
ク応用通信研究所)が開発中の「あすか」
( http://www.zetabits.com/asuka/ )しかありません。このあすかが今どう
いう状態かは不明です。また噂によるとリリースされても高価らしいです。

したがって日本の視覚障害者がLinuxを音声利用するには、今まではスクリー
ンリーダが動いているDOS端末などからシリアルでUnixマシンにログインして
使うしかありませんでした。渡辺勝明さんのWebサイト(
http://super.win.ne.jp/~katsuaki/how-to.html )に詳しい情報が載ってい
ます。

我々は、このような状況を打開するために Bilingual Emacspeak Project
(BEP)に取り組んでいます。BEPは、 Raman博士が Unix用に開発した Emacs音
声化システムを日米2カ国語を喋るように拡張し、さらに Windowsと Linuxで
動かすことを目指しています。 BEPの全体は http://www.argv.org/bep/ 、
BEPの文献は 
http://www.shonan-it.ac.jp/each_science/info/nabeken/voice/index.html#publication
 をご参照ください。

Linux用のBilngual Emacspeakは日本語だけを喋るところまで出来ており、仮
名漢字変換時の漢字候補の詳細読みもできます。つまり、Emacsの内部なら日
本語で音声利用できます。本システムはまだ開発中で一般公開はしていません
が、BEP ML に参加していただければ開発中のシステムを試用することは可能
です。(BEP MLに参加するには、bep-subscribe@argv.org に空のメールを送
ってください。)本システム自体はオープンソースですが、日本語エンジンは
クリエートシステム開発のもの(正確に言うと製品にもなっていない開発キッ
ト)を使っています。
Emacsをご存知でしたらおわかりになっていただけると思いますが、Emacsだけ
でもほとんどのことが出来ますので、Bilingual EmacspeakによってLinuxを音
声利用できるようになります。Emacsの外でしか出来ないことは、他の端末で
コンソールを音声化するしかないと思います。

またBEPの主体となっているARGV (Accessibility Research Group for the
Visually impaired)ではBUG (Blind Unix users Group)というMLを立ち上げて、
視覚障害者のLinux利用に関する情報を交換しています。BUGの詳細は以下の
URLをご覧ください:  http://www.argv.org/~inoue/bug-ml.html
ここでは今、視覚障害者が自力でLinuxをインストールする方法などを調べて
います。

またBEPとして、11月末に京都国際会館で開催されるLinux Conference (
http://lc.linux.or.jp/)で、「Bilingual Emacspeak Propjectと視覚障害者
のLinuxアクセシビリティの向上」という話をします。

金子様の再生Linuxマシンに我々の研究が役立てれば幸いです。
BEPもBUGもML参加者以外の投稿も受け付けております。ご質問等あれば
話題に応じて bep@... か bug@... に投げていただければ、みんな
でお答えできると思います。

--
渡辺隆行 (Takayuki Watanabe)      takayuki@la.shonan-it.ac.jp
 251-8511 神奈川県藤沢市辻堂西海岸1-1-25
      湘南工科大学 情報工学科
      Tel: 0466-30-0217 直通
      Fax: 0466-34-1096