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Re: [bep] Re: lookup
- To: bep@argv.org
- Subject: Re: [bep] Re: lookup
- From: TAKAHASHI Naoto <ntakahas@m17n.org>
- Date: Tue, 17 Jul 2001 17:52:43 +0900 (JST)
- Delivered-To: mailing list bep@argv.org
- Mailing-List: contact bep-help@argv.org; run by ezmlm
- User-Agent: SEMI/1.14.3 (Ushinoya) FLIM/1.14.2 (Yagi-Nishiguchi) APEL/10.2 Emacs/21.0.105 (sparc-sun-solaris2.8) MULE/5.0 (SAKAKI)
n高橋です。
KIRIAKE Masanori writes:
> nemacsは、Emacs18ベースですか?Mule1,2,2.1,2.2,2.3って本家Emacsとの関係
> は?Emacs19.28/Mule2.3ですよね。
去年、情報処理学会に頼まれて Emacs の解説記事を書きました。歴史に関係
した部分を下に付けます。参考にして下さい。ただし著作権とか色々面倒なこ
とがあるかもしれないので、丸写しして公の場所に出すことは避けて下さい。
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Free Software Foundationが開発したGNU Emacs(グニューイーマックス)
は多機能エディタと呼ばれることが多いが,実はエディタというよりも,一種
のユーザ環境と呼ぶ方がふさわしい.一般的な文書の編集以外にも,デバッガ
の起動からソースプログラムの修正まで含めたプログラムの開発,電子メール
やネットニュースの読み書き,その他数多くの操作がすべてGNU Emacsの中か
ら行える.
このGNU Emacsに日本語処理機能を追加したNemacs(エヌイーマックス)が電
子技術総合研究所から公開されたのは1987年6月のことであった.Nemacsは英
語と日本語のみに対応した,いわゆるローカライズされたソフトウェアであっ
た.Nemacsは1990年6月のNemacs-3.3.2(藤娘バージョン)を最後に開発が終
了し,以降はMule(ミュール)がこれに取って代わった.
Mule (Multilingual Enhancement to GNU Emacs)は英語と日本語だけでなく,
その他の多くの言語も同時に扱うことができる,いわゆる国際化されたソフト
ウェアであった.Muleの開発は1991年に始まり,1992年5月のベータ版公開を
経て1993月8月にはMule-1.0(桐壷バージョン)が発表された.その後も順調
にバージョンアップを重ね,1995年7月にはGNU Emacs-19.28をベースにした
Mule-2.3(末摘花バージョン)が公開された.電子技術総合研究所から公開さ
れたMuleとしては今のところこれが最後となっている.
<脚注>
その後有志によって,GNU Emacs-19.34をベースにしたMule-2.3が公
開されている.
<脚注終わり>
その後Mule-2.3の多言語機能を本家のGNU Emacsに取り入れる作業が開始され
た.その最初の成果が1997年9月に公開されたGNU Emacs-20.1である.これに
よってGNU EmacsとMuleとの統合が完了し,これ以降の開発はGNU Emacsという
統一された名前の下で行われることになった.以上をまとめると表-1のように
なる.
<表-1 Nemacs/Mule/Emacsの開発の流れ>
公開時期 バージョン ベースシステム
1987年 6月 Nemacs-1.1 Emacs-18.47
1990年 6月 Nemacs-3.3.2 Emacs-18.51
1993年 8月 Mule-1.0 Emacs-18.59
1994年 2月 Mule-1.1 Emacs-18.59
1994年 8月 Mule-2.0 Emacs-19.25
1994年11月 Mule-2.1 Emacs-19.27
1994年12月 Mule-2.2 Emacs-19.28
1995年 7月 Mule-2.3 Emacs-19.28
1997年 9月 Emacs-20.1
2000年 6月 Emacs-20.7
? Emacs-21
--
TAKAHASHI Naoto
ntakahas@...
http://www.m17n.org/ntakahas/