WEB閲覧環境としてのEmacspeak/BEP
JARVI第10回大会発表補足資料(2001/6/23)
メンバー: 渡辺隆行、(湘南工科大学)
切明政憲、井上浩一、坂本貢(ARGV)
and All BEP ML members
目次
- Emacs-W3とは
- Emacs: マルチプラットフォームで強力なエディタ
- Emacspeak: Emacsを音声化するマクロ
- EmacspeakとEmacs-W3
- Aural style Sheets: 唯一の音声CSS対応ブラウザ
- Emacspeak+Emacs-W3(デモ)
- Emacspeak+Emacs-W3の日本語対応
- WEBへの新たなアプローチ: w3m+shimbun(デモ)
- 現状の長所と短所
- 今後の展望
- 開発と入手先及びサポート
高機能エディタGNU Emacs上で動作するテキストブラウザ。Emacs音声化ソフト
Emacspeakで音声化できる。
- 対応OS
- Windows, UNIX(含Linux)
- 必要なソフト/ハード
- GNU Emacs及び
Emacs-W3
Emacspeak(英語)
- 特徴
- 多彩な音声表現、Aural Style Sheets対応ブラウザ、HTMLのテーブル対応
- 状況
- 英語のEmacspeakとW3は実用レベル、日英対応BEPとの組み合わせでは現在開
発中
- Emacspeak(英語)は英語音声装置のDECTalkやDoubletalkまたは音声合成ソフトウェ
アの
IBM ViaVoice Outloudが別途必要。また英語版の対応OSはLinuxのみ。
- Windowsにも対応して、日英2カ国語をしゃべるEmacspeakとして
BEPを開発中。
- Emacs-W3はEmacsが動くすべてのOSで動作。音声ブラウザとして使うには
EmacspeakまたはBEPの動作するOS(Windows, Linux)が必要)
拡張可能でマルチOS、多言語対応のエディタ。昔から研究機関の大型コンピュー
タで使われ、現在はWindowsやDOSでも使えるようになった。
- 拡張可能
- Emacs lisp言語で自分の好きなように動作を変更したり、必要な機能を追加
可能
- マルチプラットフォーム
- Linux, UNIX, DOS, Windowsなど多くのOSで動作
- Emacsでできること
- 文章/プログラム言語の編集(エディタ)
- メールやネットニュース(会議室)の書き込み/閲覧(メーラ)
- WWWの閲覧、ftpでのダウンロード(ブラウザ)
- カレンダー、アドレス帳、ファイラー(ユーティリティ)
- UNIXで仕事をするためにT. V. Raman(現IBM)が開発
- GNU Emacs用拡張プログラムで、内内側から音声化
- 画面表示にとらわれず、必要な情報を聴覚に最適化して提示
- DecTalkの表現力豊かな音声とauditory-iconを利用
音声合成にはDECTalkやDoubletalkなどの英語音声装置、またはIBM Viavoice
Outloud(Linux用、無料配布)が必要。動作OSはLinuxのみ。
Emacs-W3
GNU Emacs上で動作するWWWブラウザ。
Emacs-W3の特徴
- エディタの中で動くブラウザなので、エディタ、メーラ、ブラウザがシームレス
に統合された環境
- Emacs lispですべての構造にアクセス可能。プログラムすることで育つ可
能性を持っている。
Emacspeakと使ってうれしいこと
- 音声スタイルシートに対応
- HTMLのテーブルを縦横自由な順序で読める。縦に連続読みすることも可能。
- Cascading Stylesheet:
- HTMLの表示スタイル(文字の色、フォント、フォーマットなど)をHTMLドキュメン
トとは独立に管理できるようにしたもの。
- CSSの意義
- WEBページの作り手が決めたページの「内容」はそのままに、読み手は表
示装置やハンディの状況によって最適なスタイルで閲覧できる。
- Aural Style Sheets
- HTMLの各要素を音声装置などでどのように特徴づけて読み上げるかを細かく
指定可能。一つのHTML文書を画面でも音声でもわかりやすく表現。
Emacspeak+Emacs-W3のデモ(4.3Mb)が
MP3によるデモページにあります。
Aural Style Sheetsでできること
Emacspeak(英語)とEmacs-W3で聞くと楽しい(?)ページをつくりました。
DECTalkで再生したデモもあります。
- Emacspeakの日英バイリンガル化
- 英語は英語音声で、日本語は日本語の音声で読み上げ。
- Windows, Linux両対応。
- BEPで開発、公開中。
- W3は使えるか?
- テーブルの表現やAural Style Sheetsなど主要な機能に未対応。今後の開発
に期待!
MP3によるデモペー
ジにWindows版及びLinux版の声のデモがあります。
- Emacs-w3m
- Emacsで動くもう一つのブラウザ。HTML→テキスト変換をテキストブラウザ
w3mで行い、高速に表示。
- shimbun機能
- Emacsはエディタ&ブラウザ&メーラー&……
→メーラーの中でブラウザが動作→メール感覚でWEB新聞閲覧
Emacs-w3mの新聞機能(デモ)
Emacs-w3mで新聞(またはWEB雑誌)を表示している状況を視覚的に表現します。
概要説明: メーラーのフォルダ選択画面でasahi.national
などの
フォルダを選んで開くと、速報記事の題名一覧が表示されます。ここで読みたい
記事の上でエンターまたはスペースを押すと、記事内容が下のウインドーに表示
され、普通のメールを読むような感覚で読むことができます。nやpのキーを押す
と記事を次々と読み進むことができます。デモの画像では記事中の写真なども
表示されています。
よいところ
- Aural Stylesheet に対応している唯一とも言えるブラウザ
- テーブルの把握が用意
- エディタ、メーラー、ブラウザが一体となっていてデータのやりとりが簡単
- WEB新聞をメーラーで閲覧など新たなアプローチも可能
- オープンプロジェクトで開発しており、誰でも開発に参加できる。
よくないところ
- 動作速度が遅い
- Javascriptなど対応できていない技術がある
- 日本語拡張は現在作成中(のびる?!)
- Emacs-W3の高速化
- 肥大化したW3の書き直しが行われており、Aural Stylesheetのサポート、多
国語サポートなどについて協力していく。
- Emacs-w3mを利用するアプローチ
- w3mは視覚的表示が中心のブラウザだが、安定して高速なHTMLパーザ、レン
ダリングエンジンとしても利用できる。
- BEPとして
- BEPの安定化、改良、多言語化、ユーザサポート
- 情報公開
- Bilingual Emacspeak Project
http://www.argv.org/bep/
- 開発、ユーザサポート
- BEP-ML(bep@argv.org)