SONY フィールドレコーダー PCM-D50 導入
SONYのポータブルレコーダー PCM-D50を導入してみた。きっかけは去年の秋に買ったR-09を会社に送ってしまったので、その代替機ということだ(もちろんそういういいわけであるのだが)。こうして贅沢を正当化しておこう(笑)。が、久しぶりに音楽活動を再開したくなったことは自分にとって収穫だった。そんなことよりさっさとレポートに入ろう。
このレコーダーの位置づけ
ポータブルレコーダーを選ぶときにどのようなことを考慮して選ぶだろうか。 別のページ でも書いているが、今回録音環境を整備するに当たってかなり高額の出費をしてしまった。いろいろな理由があるが、結局PCM-D50が誰に使ってほしいかをちゃんとアピールできていない(あるいはわかりにくい)から、あるいはターゲットユーザとその設計思想が若干ずれている?からだった。では、ポータブルレコーダーを選ぶ基準としては
- 持ち歩きやすさ
- 録音のしやすさ
- 操作性の良さ
- 音質
- 他にもいろいろ?
みたいなところだろうか。では、PCM-D50は他と比べてどうなるか?持ち歩くには大きい。マイクも付いているので簡単に録音できるが、録音レベルを自分で調整しなければならなかったりするのでマニア向け、操作性はフォルダ数に制限があったり再生中フォルダの変更ができなかったりといろいろで再生装置としては使いにくい、音質は他のポータブルレコーダーよりは頭一つ抜け出ている漢字でよい。そんな感じだろう。ということで、音質優先の録音をしたい人がこの機種を買うことになる。
では、それ以上の音質向上を求めたときにどうなるか?内蔵マイクの音質はやっぱり内蔵マイクの音だ。 ECM-MS957 と比較しても、音の広がりや自然さで負けてしまう。もっと高音質を狙ったら、 オーディオ・テクニカのAT822か、 Rode NT4 ということになるだろうか。これらは簡単に接続して録音することができる。どちらも電池をマイクに入れて使うマイクだ。
でもね、これらのマイクはもっと安い R-09HR などのレコーダーでも使えるのだ。もちろんマイクアンプの音質差もあるから、同列に比較することはできないが、トータルの持ちやすさなどでは悩ましいところだ。なんたって、勝手にレベルを合わせてくれる機能もついているらしい。
さて、上記3本のマイクは1本でステレオ録音ができるタイプだ。だが!2本使ってステレオ録音したときの音は、1本で録音したものと比較すると、定位の良さやマイクロフォン選びの自由度で勝っている。もちろん1本で録音するのはなにより手軽で確実な録音ができるので、上記3本のうちどれかは所持していたいものだが。
では、PCM-D50に2本マイクを接続することはできるのか?これはいろんな理由から現実的ではない。例えば、2本セットで売られている Rode NT5 のようなコンデンサーマイクと呼ばれるマイクは、その仕組み上マイクに電気を供給してやる必要がある。が、このD50にはこれらのマイクに電源を供給する機能はない(プラグインパワーとは異なるものだ)。オプションで XLR-1というユニットを発売しているが、4万円を超える価格が付いている。本体と会わせるとおそらく9万円を超える。そこまでしてコンデンサーマイクが使いたいか?もっと良い組み合わせはないのか?
では続いて、マイクアンプを外付けのものにして、その出力をD50に入力して録音することを考えよう。予算は4万円以内(XLR-1より安ければOK)。こういうものは家電ではなくすでに楽器店に売られているものになる(すでにSONYのマイク以外は楽器店でないと変えないが)。
電池で動いて、コンデンサーマイクが接続できて、D50のマイクアンプより音が良くて、4万円以内のものを探すとけっこうないことがわかってきた。そろそろ行き詰まる。
ここで、バッテリー駆動を諦めた。そうすると、コンピュータと接続して録音を行う「オーディオインターフェース」という種類の製品がにわかに浮上してきた。ものによってはデジタル出力も付いていて、D50とデジタルで接続できる可能性がある。オーディオインターフェースを使うのならデジタル接続した方が有利だろう。
ところがだ!楽器店で売られているものの中には民政期であるD50とデジタル接続が成り立たない機種があるのだ。端子形状だけでなく流れているデータに互換がない。どっちが悪いというのではないだろうがとにかく繋がらない。ということで、これもだめだった。
マイクケーブルが短くて、他の人やシステムに影響を与えないのならば、コンデンサーマイクの電源だけの機械が安価に販売されている。結局これが一番安上がりであることに気がついた。マイクアンプはSONYのものになるし周囲環境によっては使えない可能性もあるが、 ART Phantom II という電源と接続に必要なケーブルを調達すればほぼ8千円くらいでNT5のようなマイクを接続することができて、内蔵マイクとは比較にならない音になるはずだ(スタンドが必要だったりマイクを2本取り付けるバーが必要だったりといろいろあるが)。
PCM-D50ほどのサイズの機器を「ちょい録音」に使う人がどのくらいいるだろうか...。せめてコンデンサーマイク用の電源供給をしてくれていたら、仮に内蔵マイクが付いていなくてももうちょっと使える機種になったんじゃないか?必要ならSONYの安いマイクを買い足せばよい。
ということで、PCM-D50は内蔵マイクで録音するか、ステレオ一体型のマイクで録音するか、あるいは高音質再生マシーンとして使うのが妥当な使い方ではないだろうか。それ以上を求めた瞬間にあっさり破綻していく。
使用感
本体はこの種類のレコーダーとしては大きい。R-09が小さかったので(それでもSANYOやOlympusのICレコーダーよりは格段に大きいが)、その大きさと重さはちょっとびっくりするかもしれない。本体向こう側にX-Yスタイルのマイクが付いている。
メモリースティックについて
このレコーダーは、本体に4GBのメモリーを内蔵している。もっとも高音質に設定して(SF=96kHz 24bit)録音すると2時間弱録音ができる。CD程度の音質ならば5時間くらいは録音できるだろう。これに加えてメモリースティックが使えるようになっている。
メモリースティックに関してGoogleなどで検索してみると、「あのメモリーは使えるがこのメモリーは"Unknown"と言われる、とかいうページを発見するだろう。特にSONY製ではないメモリースティックが相性がよくないようだ。で、私が使っているのは、SONYのメモリースティックPro DUo 8GBである。特別なエラーメッセージも出ない。録音にも問題はない。これで、本体と合わせて6時間くらいの録音ができることになった。
さてこのメモリースティックだが、取り出しがとてもやりにくい。蓋がじゃまになってスティックの頭を指で挟めないのだ。そんなに頻繁に取り出さないけれど、今後のモデルでは改良してほしいなと思う。
本体とメモリースティックのどちらに録音するかは、メニュー画面から設定する。本体がいっぱいになったらメモリースティックに切り替わってくれたりはしない。長時間録音するときは要注意。
マイクのセッティングと音質
内蔵マイクは、左右に120dの角度で広げたセッティングと、左右を90dの角度で合わせたセッティングの二つが選べる。収録対象との距離や周りの環境でどちらかを選択するが、普通は広げた方が良い結果が得られると思う。ちょっと軽めの音がするが、けっこう人の声などはそれらしく録音できるんじゃないかな。しゃりしゃりしている感じにはなってしまうのだが。もちろんICレコーダーよりは音質は良い。コンパクトなICレコーダーから乗り換えるのだったらお勧めかも。とはいえ、最近のICレコーダーはがんばっているから、だんだん悩ましくなっている。
>>> まだまだ続く <<<
