入り口で出迎えないで~

先日から友人のリコーダー選びを手伝っている。リコーダーそのものはほぼ決まったのだが、その調査中に、
ローランドの電子チェンバロ
を発見した。いろんな理由でこの楽器がほしいと思っていたのだが、旧機種はちょっと高価だったし、その値段だと本物のチェンバロ(スピネットと言うべきか?)が買えてしまう。もちろんピアノのように半年に1度調律すればいい、なんてことはないので、調律しなくてよい電子楽器は魅力なのだが。

新機種の値段をネットで確認して、「おぉ、これなら目を付けておけばそのうち買えるな?」と思ったのだ。小金井にある某楽器店に展示してあることがわかったので、こりゃ一度試奏せねばということで、日曜日にちらっと寄ってみた。

ここからが本題である。なんと入り口にキャンペーンガールが二人も!立って「いらっしゃいませ~!」とやっているのだ。店内では「どうだっ!」と言わんばかりにぱらぱらとピアノを弾いている人がいる。どうやらその日はピアノフェアーだったらしい。ちっと冷やかしに来ただけの私としてはなんとも居心地が悪い。とにかく目的を果たそう。

「あの~、ローランドの電子チェンバロを展示してるって聞いてきたんですが。。。」店員が集まってきた。操作と機能を確認したかったのでいくつか質問をすると次々と店員が入れ替わっていく。最後は店長の登場だ。ん~、買わないんだけどな…、と思いながらももう後には引けない。もっと鍵盤楽器が演奏できると居心地もよいのだが、私は鍵盤はほとんど演奏できない。店長は完全にセールスモードになっている。

なんとか目的は達成した。「今、納期が確定できないんですよ。ご注文いただければ手配致しますが。。。」などと言われても先立つものがない。

いえ…、と帰れる雰囲気でも既になく「あっ、リコーダー選ばせてもらってもいいですか?」とか適当なことを言ってみる。この店にはそれなりの数のリコーダーが置いてあることは知っていたし友人のリコーダー選びの途中でもあったので、とりあえず少し試させてもらった。が、店長はここにもいたのだ!

数種類のリコーダーを試奏してそろそろ帰ろうかなと思っていると、「ぜひ当店の会員になりませんか?」ということになった。情報をくれるのはうれしいし、ここにもまた寄ることがあるかもしれない。じゃっ、と書類に記入を始めると、ここにも店員が集まってきた。いや~、買わない客にこんなに親切にしてくれるとは…(笑)

合計40分くらいか、なんとも落ち着かない時間だった。今度はなにか買うときにこの店には訪れよう。ちなみに向かい側にあるウナギ屋はなかなかおいしい。

ということで、この店はなかなか親切なので、西東京近辺の人は利用してみてはどうだろう。

さて、楽器店の話だけではなんなので、この電子チェンバロについてすこし感想を書いてみよう。購入してみたいという方の参考になるとも思えないのだが。。。

なぜ私がチェンバロをほしいと思っているか、以下の二つの理由である。

  • 音感を鍛えたい→それには鍵盤楽器が手っ取り早い
  • 音の響きに対する感覚を鍛えたい→いろんな調律法の音がほしい

この二つを満たすものは、上記電子チェンバロ以外にいくつかある。ヤマハの
P-140
や、カワイの
CA91
なんかがそうだ。どちらも電子ピアノ。値段はこちらの方が安い。ところが、どちらも弾いてみると私はほしいと思わなくなるのだ。ピアノの音は聴き慣れているし、その昔家にピアノがあったからかもしれない。

さて、話をチェンバロに戻そう。この電子チェンバロだが、きっと音はそれなりなんだと思う。私は本物のチェンバロと生活したことがないので、たぶん満足できるのだと思う。
この音をコンピュータのスピーカーで聴いていても
そんなに強い違和感は感じない。本体スピーカーがどの程度の音質か、気に入らなければ気に入る音のするオーディオセットと組み合わせればよい。

タッチは、たぶん本物のチェンバロにはほど遠いのだと思う。が、これも私はチェンバロと生活したことがないのでその違いに気がつかない。

外観はなかなか美しい。ピアノより小さいし(鍵盤の数が少ないからだ)、家具としてはなかなか良いデザインではなかろうか。

どちらにしても、この楽器を使って自分でチェンバロをばりばり弾くようなことはないと思うが、たぶん音感は鍛えられるだろうと思う。