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ピンディスでWindows
- To: same@argv.org
- Subject: ピンディスでWindows
- From: "waggingtail" <waggingtail@lycos.jp>
- Date: Mon, 03 Feb 2003 22:14:53 +0900
- Delivered-To: mailing list same@argv.org
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もう既にご存知の方がほとんどだと承知していますが、興味深いものなので以下に参照しました。長文になるので興味のある方がいらっしゃったらご覧ください。いわゆるこれが私がJAWSを買わなくては屋っていけない理由です。{苦笑}昔は音声を完全に落として捜査していたものでした。
Windows用スクリーンリーダーにおける使用比較
http://member.nifty.ne.jp/KUYO/pc/pinscr.htm#id0002
ピンディスプレイでのwindowsスクリーンリーダー比較
2000Reader
PC-Talker
JAWS
WinVoice
終わりに
付録1:点字ピン・ディスプレイの各機能におけるスクリーンリーダー対応表
付録2:各機種におけるスクリーンリーダー対応状況
Windows用スクリーンリーダーにおける使用比較
ここでは私が実際にピンディスプレイと各スクリーンリーダーとの組み合わせで使用して感じたことを書かせていただきたいと思います。
私が使ってみたスクリーンリーダーは下記の通りです。
95Reader V4,0(通称2000Reader)
PC-Talker Ver5,13
JAWS for Windows(IBM バージョン) Version3,71(Windows2000版)
WinVoice
なお使用したピンディスプレイの機種は、スクリーンリーダーにより異なりますので、その都度列記します。
2000Reader
2000Readrでは、KGS社製の「ブレイルノート40A」、アルバ社製の「サテライト544」で使用してみました。
IMEでの漢字変換時の点字の表現や、スタートメニューの表現が分かりやすいと思います。「アンダーラインカーソルを使用する」にしておくと、IMEでの漢字変換時、現在変換対象になっている部分をアンダーラインで表現してくれますので、どこが変換対象なのかがすぐに分かります。
一方欠点としては、ダイアログボックスの情報が全て点字で出ないため、Windowsアプリのインストールや設定などが点字だけでは行えません。例えば2000Reader自身も設定をダイアログボックスで行うようになっていますが、音声では「速度のエディット 5」というにもかかわらず点字では単に「5」としか表示してくれないため、どこの項目が「5」なのかさっぱり分かりません。
またピンディスプレイ上から行える操作は、左右の文字のパンニングと、リストビューなどでの上下の矢印操作のみです。ピンディスプレイ上のタッチカーソルなどによるカーソル移動は対応していません。
またインターネット上のホームページへのアクセスですが、2000Reader自身ブラウザーの対応があまりよくないため、これだけでインターネットをするのはやや無理があります。解決策としては、2000Reader自身での読み上げに対応したブラウザーソフト、例えば「VE2000」「ホームページ・リーダー3.01」などとくみ合わせることでそこそこ使えるようになるようです。
ところでこれは私のところだけかもしれませんが、2000Readerに大量に読み上げデータが送られると、システムが落ちてしまう現象が起きています。特にMMメールでメールを開いたときや、テキストエディターでたくさんの文章を選択したとき、クリップボードの自動読みがONの状態でクリップボードニたくさんのデータをコピーしたさいなどに発生することがあります。
点訳ですが、まぁまぁといった感じです。分かち書きは比較的綺麗ですが、読み誤りが多いように感じます。一応辞書登録機能がありますのでこれを使えば修正することは可能です。
PC-Talker
PC-Talkerは、KGS社製の「ブレイルノート40A」「ブレイルメモ(BM16)」にて動作確認をしました。
PC-Talkerは、漢点字(8点)や6点漢字での出力が可能という特徴があります。ただし製品は別になっているようで、購入時なにも指定しないと6点漢字対応のものが送られてきますので、漢点字を使用されたい方は確認してから購入する必要があります。
またかな点字での出力も可能ですが、かな点字出力には別途「EEXTRA」「Ibuki-TEN」という、漢字かな混じりの文章を自動的に点字に変換するための点訳ソフトが必要です。かな点字はこれらのソフトにまかされますので、点訳精度は点訳ソフトに依存します。
ただPC-Talkerには致命的な欠点があります。それはかな点字出力時、IMEでの詳細読みや既に書かれている文字の詳細読みを点字出力してくれないことです。漢点字や6点漢字を使用している人には問題ないのですが、かな点字を使用している方にとっては漢字が確認できませんので、これは困った問題です。あまりにも点字の漢字を意識しすぎ、かな点字利用者のことを全く考慮しなかったためではないかと思われます。
それからPC-Talkerは音声で読み上げた内容をそのまま点字出力しています。そのためか、音声をOFFにすると点字も出なくなってしまうという欠点があります。
また点字でパソコンを使用する場合、単に音声で読み上げるのと同じ情報を点字で出しただけでは不充分です。点字ではカーソルのある位置をアンダーラインで示したり、タッチカーソルによるカーソル移動があると便利です。この点PC-Talkerはちょっと使いにくいという感じがします。さらにその割には、音声で読み上げている肝心な部分が点字で出力されない部分もあります。
それでPC-Talkerでのピンディスプレイからの操作ですが、左右のパンニングの操作、過去に表示した内容を戻って読むことのできる履歴機能があります。
なおブレイルメモの場合は、付属の「BMFEP」というソフトを利用することにより、ブレイルメモ側からパソコンの操作もある程度可能です。ただ私がやりたかったPC-TalkerでのIE読み上げ機能である、Ctrlキーを押しながら上下の矢印キーを押すなどといった操作はブレイルメモ側からは働かないようです。
JAWS
JAWSでは、アルバ社製のの「サテライト544」、KGS社製の「ブレイルメモ(BM16)」で動作確認をしました。
JAWSのピンディスプレイ機能はとても強力です。画面の表示内容をそのまま点字で確認ができる「画面の表示モード」、JAWSが点字に特化した形での出力を行う「構造化モード」、音声で読み上げる内容ををそのまま点字で出力を行う「音声の表示モード」という三つのモードがあり、必要に応じて切り替えて使うことができます。
またタッチカーソルにも対応しており、これを利用してカーソル移動を行ったり、マウスのボタンをクリックするなどといった操作も可能です。アルバのサテライト544を使った感じでは、ピンディスプレイ側からのキー操作のみで、文字入力以外のほとんどのWindows操作が可能でした。
さらにJAWSでは、英語を2級英語(英語の点字の略字)を使って表示することも可能な他、英語だけの文章を読む場合に「英語1級」というのにすると外字不が入らないので英語が読みやすくなります。ただしこの場合日本語エンジンが働きませんので、全角文字はめちゃくちゃに表示されてしまいます。
一方JAWSの欠点としては、特に記号類の点訳があまりよくありません。半角文字でもかな読みで表示する記号、全く表示されない記号があったり、全角記号類においてはほとんどが注釈記号のようなものが表示されたり、かなで表示されたりするものが多くあります。
また明らかに画面に文字が書かれていて音声も正常に読み上げているにもかかわらず、点字では一部文字が抜け落ちて表示されることがあります。特に全角文字と半角文字が混ざっているとこの現象が起き易いように思います。
またIMEでの詳細読みの出力は可能なのですが、これは音声の表示モードのものを利用しています。ですから点字の表現として不適切な部分が多くあります。例えばカタカナで「テープレコーダー」と書いて変換すると「ぜんかくかたかなて ちょーおん ぷ れ こ ちょーおん だ ちょーおん」などと表示されるのでとても読みづらく感じます。
またアンダーラインカーソル表示やタッチカーソルでのカーソル移動が単語単位でしか対応しておらず、特定の1文字だけを修正しようとした場合にとても不便に感じます。
また他のスクリーンリーダーに比べてピンディスプレイの反応がやや鈍く感じます。例えば画面がなかなか表示されない、キーを押しても音声の反応が鈍いのと同じで、ピンディスプレイの反応が鈍いとそれだけ作業にストレスを感じるものです。
JAWSのピンディスプレイ機能は現在のところ評価版で正式なものではありません。正式版に向けてこれらの問題点を解消されることを願いたいものです。
WinVoice
WinVoiceは、KGS社製の「ブレイルメモ(BM16)」で動作確認を行いました。
このソフトは2000Readerのソースコードをもとに、ニューブレイルシステム株式会社の点字出力技術を搭載したもので、特に点字ピン・ディスプレイ出力に充填をおかれて開発されたものです。
このことからも分かるように、
完璧なタッチカーソル機能に対応
点訳方式はかな点字のほか、漢点字、6点漢字、情報処理点字に対応
国内で入手可能なほぼ全ての機種に対応
というのがコンセプトになっています。
実際の使用感もなかなかよく、音声で確認できる項目のほとんど全ての項目を点字でも確認できます。もちろん、詳細読みも出力されますので、音声がなくても文書作製が可能です。また、点字ピン・ディスプレイの反応も軽快で、快適です。
さらにWinVoiceには95Readerエミュレート機能があるのですが、これを利用して音声出力された内容も点字で読むことができます。ただしこの場合は音声出力されたものをそのまま点字ピン・ディスプレイに出力していますので、タッチカーソルなどの機能は使えません。WinVoiceには点字出力用のAPIが用意されているようですので、今後これを利用したアプリケーションが増えてくれれば、もっと使いやすいものになるのではないかと思います。
さてWinVoiceの欠点ですが、どうも滑らか読み辞書がいまいちのようで「10月」を「10つき」と表示したりします。この辞書はユーザーが登録することも可能ですが、デフォルトの辞書ももう少し充実していればいいと思います。
それから、2級英語には対応していないので、英文をよく読まれる方には物足りなく感じるかもしれません。
あとは点字ピン・ディスプレイ機能とは直接関係はありませんが、IEの読み上げが2000Reader相当なので、ネットサーフィンは実用になりません。これは今後のバージョンアップに期待したいところです。
終わりに
一口にピンディスプレイ機能といってもなかなか奥が深いもので、ここで各スクリーンリーダーの機能を全部紹介するのには無理があります。
音声もいいかもしれませんが、やはり視覚障害者にとっての文字は「点字」です。もう少し点字のよさも見なおされてもいいかと思うのですがいかがでしょうか。
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付録1:点字ピン・ディスプレイの各機能におけるスクリーンリーダー対応表
機能名 2000Reader PC-Talker JAWS WinVoice
仮名点字表示 対応 対応[*1] 対応 対応
詳細読み表示 対応 未対応 対応 対応
点漢字表示 未対応 対応[*2] 未対応 対応
2級英語 未対応 未対応 対応 未対応
情報処理点字 未対応 未対応 未対応 対応
記号瑠璃 読みにくい 点訳エンジンに遺存 読みにくい 読みやすい
アンダーラインカーソル 対応 未対応 対応[*3] 対応
タッチカーソル機能 未対応 未対応 対応[*3] 対応
USB接続[*4] 未対応 見た王 対応[*5] 未対応
ダイアログボックスの表示 分かりにくい 分かりやすい 分かりやすい 分かりやすい
タッチカーソルによるマウスクリック 未対応 未対応 対応 未対応
画面リアルタイム表示 未対応 未対応 対応 未対応
[*1]仮名点字表示には別途EXTRA点訳エンジン、またはIbuki-Tenが必要です。
[*2]漢点字対応版と6点漢字対応版はそれぞれ別パッケージとなります。購入時指定がない場合は6点漢字対応版になります。
[*3]日本語表示を行っている場合は、カーソルは単語単位での移動・表示となります。
[*4]RS232C端子がなくUSBポートのみのノートパソコンであっても、別途USB-RS232C変換アダプタを購入することで接続可能です。
[*5]アルバ社製「サテライト544」のみ使用可能。
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付録2:各機種におけるスクリーンリーダー対応状況
メーカー 機種 2000Reader PC-Talker JAWS WInVoice
KGS ブレイルノート20A/40A 対応 対応 未対応 対応
KGS ブレイルノート46C/D/X 対応 対応 対応 対応
KGS ブレイルメモ(BM16) 未対応 対応 対応 対応
フリーダムサイエンティフィック ナビゲーター 対応 未対応 未対応 対応
フリーダムサイエンティフィック パワーブレイル 対応 未対応 対応 対応
フリーダムサイエンティフィック ブレイルライト 対応[*1] 未対応 未対応 対応
アルバ ABTシリーズ 対応 未対応 未対応 対応
アルバ サテライト 対応 未対応 対応 対応
不明 TDC-32C 対応[*1] 未対応 未対応 対応
[*1]機能が限定されます。
Last update: 2002/10/14
松川恵理子
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