[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

Windows版のBilingual Emacspeakの使い方



渡辺@湘南工科大です。

(BEPとVoiceWindowsのクロスポストです)

BEPでは既にアナウンスしておりますが、Windows版Bilingual Emacspeak (別
名 Voice Meadow)の新しいバージョンが完成しつつあります。まだまだ不十
分なところが多いので一般公開はしていませんが、試してみたい方向けに、
今のバージョンを使う方法をまとめました。このシステムは、本家
Emacspeakを日本語 Windows向けに拡張したもので、Emacspeakの優れた機能
を使える(ハズ)です。

まだ開発中なので、誰でも簡単にインストールできるようにはなっていませ
ん。また、本システムを使うためにはEmacsの知識が必要です。この辺のサポー
ト体制も、今後充実させていかねばと思っておりますが、とりあえず今のと
ころはご容赦ください。また、本システムはEmacs (Meadow)の内部しか音声
化しないので、Emacs外を操作するにはスクリーンリーダが必要です。

Voice Windowsの方へ; このシステムに関する議論などは、ARGV
(Accessibility Research Group for the Visually impaired) 上の BEP ML
で行われています。 BEP MLの入会方法は、
 1. bep-subscribe@... に空のメールを送る。 
 2. その後MLプログラムから入会確認が送られてくるので、返信する。
です。Voice Windowsにも節目節目で情報を流しますが、本システムに興味を
お持ちの方は、是非 BEP ML にご参加ください。


1. 必要なものと入手先

配布可能なものは以下のURLに置いてあります。
URL: http://www.shonan-it.ac.jp/each_science/info/nabeken/bep/

1) MS Speech API4.0 と英語のエンジン。
  http://www.microsoft.com/iit/projects/sapisdk.htm からダウンロード。
エンジンつきのSuiteの方 (40MBもある) をダウンロードすること。
SAPI4だけを持っている人は、以下でMSのエンジンだけをダウンロード可能。
  http://www.microsoft.com/iit/documentation/license.htm

2) IBMのProTALKER; 市販品 (9,800円)。
PC-Talkerやホームページリーダー(15,000円)を持っている人は何もしなくて
良い。ただし、 SAPI4に対応したバージョンが必要。またProTALKERがなくて
も、パソコンに SAPI対応の日本語エンジンが入っていれば、とりあえずそい
つが代わりに喋ってくれる。

3) ドキュメントトーカのSAPI対応版;市販品 (6,000円)。
日本語版のOutSpokenを持っている人はそれが使える。
このエンジンをIMEの詳細読みに使っている。

4) Meadow
  以下からダウンロード可能。
Vector;
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se068653.html
M17n;
ftp://ftp.m17n.org/pub/mule/windows/
電総研;
ftp://etlport.etl.go.jp/pub/mule/Windows/

5) Emacspeakを修正して圧縮した bep.zip (1MB余)。
  上記のWebにおいてあります。

また、オリジナルのEmacspeak12と異なっているELispファイルだけを圧縮し
たものが、Tigai.zip (146KB) です。Emacspeakの Lispディレクトリに上書
きしてください。

ちなみに、オリジナルのEmacspeakは、emacspeak-12.0.tar.gz (675KB) とし
て Webに置いてありますが、Windows環境でこれからインストールするのはち
ょっと大変なので、上記の bep.zip を用意しました。
(つまり、この gz ファイルは不要です。)

6) スピーチサーバー Speak.exe を圧縮した Speak.zip (33KB)。
  Webに置いてあります。

7) MFCのランタイムライブラリを圧縮したもの MFC.zip (578KB)。
MFC42.DLL と MSVCRT.DLL が入っています。

8) クリエートシステムのIME読み上げのOCX と詳細読み辞書。小出氏のご好
意により、圧縮したものを VWSapiKy.zip (80KB) としてWebにおいてありま
す。
(また本システムで使用している詳細読みの辞書は、石川さんのご好意により、
氏の辞書を元にしています。)

9) 必須では有りませんが、emacspeakの詳しいマニュアル;Emacspeakの
infoファイルを圧縮した EmcspkInfo.zip (73KB)。 dvi形式も同封しました。
Webに置いてあります。


2. インストール作業

1) bep.zip をパス名付きで c:\ で展開すると、修正済みのEmacspeakのパッ
ケージが、c:/usr/share/emacs/site-lisp/emacspeak/ に展開される。
このディレクトリの場所は決め打ちしているので、変えないでね。

2) Speak.zipを解凍して Speak.exe を、Meadowのbinディレクトリ、又はパ
スが通っているディレクトリに入れる。

3) MFC.zip を Win98だったら \Windows\System に解凍してください。もし
同名のファイルがあるといわれたら、すでにあるということですから、上書
き不要です。
(もし上書きする場合は、トラブルになったときにもとの状態に復帰しやす
いように、初めから入っていたファイルも保存して置いてください。)

4) VWSapiKy.zipを解凍して、IME.kbd (IMEの詳細読みの辞書)を C:\
に置いてください。この場所も決め打ちしています。
また、VWSapiKy.ocx と VWSapiKy.dllを どこか適当な場所、たとえば
Win98だったら \Windows\System においてください。そして、これらのファ
イルをインストールしたディレクトリで、
 c:\windows\system\regsvr32 VWSapiKy.ocx
を実行して、OCXをレジストリに登録してください。

5) Emacspeakの info ファイルは、適当な info ディレクトリに解凍してく
ださい。(この作業をしなくても実行には関係ありません。)


3. 実行

1) Meadowで以下のElispを評価する。
 (つまり、Scratchバッファに以下の式を入力して式の最後で C-jとする)

(progn (setenv "DTK_TCL" "speak")
  (load-file 
    "c:/usr/share/emacs/site-lisp/emacspeak/lisp/emacspeak-setup.el"))

2) しばらーくすると立ち上げメッセージを喋るはず。これで使えます。

3) C-h C-e で Emacspeakのヘルプ、 C-e tでEmacsのチュートリアルを読め
ます。また C-h i で infoを読むと、Emacspeakの機能がよくわかります。

CやLispのソースを読ませると、Audio Formattingを楽しめます。
基本的にEmacspeakなのでコマンドはそのまま使えます。
ただしUNIXとWindowsの環境の違いなどが原因でまだ動かない機能もあります。


不明の点は、BEP MLでご質問ください。よろしくお願いいたします。